部活やめたい!という子への親の対応|逃げ癖がつかないアドバイスの極意

・ずっと頑張っていた部活を、急にやめたいと言い出した、、、

・最近練習をサボりがち。友達とうまくいってないみたい、、、

など、わが子の部活のことで悩んでいる中高生の親御さんは少なくありません。

実は、中高生ママ専門コーチの私の元には、勉強しないお悩みと並行して、部活動のお悩みを相談される方も多いのです。(特に、野球部、サッカー部、バスケ部、武道、吹奏楽部など、ハードな部活に関するお悩みが多いです)

また実際に、私自身も息子の高校時代の部活のことで悩んだ経験があります。

日本における部活動は、勉強と共に親が子に頑張らせたくなるものの1つ。

・学生時代は何か打ち込めることをやるべき!
・運動部に入るべき!
・文武両道であるべき!
・一度始めたことは辞めるべきではない!
・練習はサボらず参加すべき!
・逃げ癖をつけてはダメ!

などの信念をもって子育てしている親御さんも多いために、「部活をやめさせたくない」「どうしたら続けさせることが出来るか?」と悩みがちです。

ですが、部活が辛くて、不登校になったり、心を病んでしまったりする事例があるのも事実なのです。

この記事を最後まで読んでいただくと、子どもが部活をやめたいと言い出した時、親はどんな対応やアドバイスをするとよいかなどや、子育てコーチング的な話の聞き方のテンプレートもご紹介しています。

わかばやし
わかばやし

本来、部活動は楽しいもので、体を壊したり、心を病んでまでも、続けなければイケナイものではありませんよね。

部活をやめたいと言われた時、親が不安に感じる4つのこと

子どもが部活をやめたいと言い出した時、「やめたらダメ」と引き留めたくなるのが親と言う生き物。

どうしてかというと、「不安に感じるポイント」がいくつかあるからです。

  • 内申書に響く?

    おそらく一番気になるのが、部活をやめると内申書に響くのでは?と言う点。

    地域や学校にも寄ると思いますが、基本「どのような部活で何をしていたか?」は内申書にはあまり関係ないと言われています。

    ただし、スポーツ強豪校の場合は加点されることもあるので、加点されなくなること(=推薦で大学に行けなくなること)をもったいなく感じる親御さんもすごく多いです。

    ただ、親として考えていただきたいのは、『受験を少しでも優位にすり抜けることが、子どもにとって本当に良いことなのか?』ということ。

    内申書というものにとらわれ過ぎないことが大事だと考えています。
  • やめた後、友達や顧問の先生との関係

    これも、親として先回りして心配しやすい部分です。

    せっかくできた部活の友達(しかも大抵いい子)とのつながりが切れてしまうんじゃないか?と心配になってしまうんですよね。

    また、担任が顧問の先生だったりすると、目にかけてもらえなくなるという不安もありそうです。
  • やめた後の生活

    部活をやめてしまうと、放課後はダラダラと過ごし、結局スマホ依存になってしまうのではないか?と言う恐れを持っている親御さんも多いです。

    子どもに自由を与える(野放しにする)ことを必要以上に恐れておられます。
  • 逃げ癖がつかないかが心配

    逃げ癖がついてしまうと、将来、嫌な事から逃げる子になってしまうのでは?本当にやめさせて大丈夫なのでしょうか?とご相談される場合も多いです。
お悩みママ
お悩みママ

【よくあるお母さんの心の声】
せっかくよいお友達もできたのにもったいない。
ここまで頑張ってきたことが全部無駄になるから、少しぐらい我慢したらよいのに。
逃げ癖がついたらどうしよう。

部活をやめさせたくない親御さんが多いのは、その方が親にとって安心だからです。

逃げ癖がつかないかご心配な方ほど、子どもの気持ちを否定しない対応を心がけて、自己肯定感を育ててまいりましょう。

わかばやし
わかばやし

中高生が部活をやめたい6つの理由と親の対応

中高生が部活をやめたいという時の「よくある理由」を6つご紹介します。

このうちどれか一つが原因である場合は案外少なくて、いろんなことが絡み合っている場合も多いです。

例えば「部活の友人とちょっとしたことで揉めたが、学校の顧問の先生の態度にも失望したから、部活への興味を失った」など。

つまり、その部活動が「楽しい居場所」ではなくなっているんですよね…

ちょっとしたことで、やめると口に出すわが子に「忍耐力や根性の無さ」を感じて、イラ立つ親御さんも多いですが、親が考える以上に部活にストレスを感じている子が今の日本には多いのです。

理由1:人間関係の悩み

部活の人間関係に悩む女子学生
仲間外れにされているのかな?
最近楽しくない

中高生の場合、ほぼ毎日練習があることが多いので、クラスの友だちよりも部活の友達と親密になりやすいです。

だからこそ、ちょっとしたこともイザコザに発展したり、思春期なので様々な悩みもあったり。(好きな子がかぶったりとか)

また、先輩からいじられることが辛くて部活をやめたくなっている子も結構いらっしゃいます。

親の対応

子どもの話を否定しないように、味方になって聞いてあげましょう。

イメージは子どものカウンセラーのような、辛い気持ちに寄り添う対応が効果的です。

理由2:レギュラーになれない

サッカーのレギュラー達(中高生の部活)

頑張っているのに!ちっとも試合に出してもらえない。

レギュラーになれない!という状態だとヤサグレてしまうこともありますよね。

親の対応

親からすると「もっと家で筋トレをするとか、影練習をすれば」と口出ししてしまいたくなりますが、本人なりに一生懸命やっているつもりですので、「そうなんだね」「悔しいよね」とただただ共感してあげるだけでよい場面です。

理由3:病気やケガ

骨折した高校生の息子を気遣う母親

部活には一生懸命に取り組むからこそ、病気やケガはつきもの。

病気やケガで練習に出られず、地味な基礎トレーニングだけ、みたいな状況は意欲を失うことも多いですよね。

実際には整骨院に通いながらも、サッカーや野球を続けている子も沢山いる印象があります。

親の対応

本人の気持ちを聞きながら「本人が望むこと」をサポートしましょう。

心配が先立ち過干渉になっている親御さんもいてトラブルになりやすい場面でもあります。

その子自身がそのスポーツへの興味関心を失っている場合もありますので、送り迎えの車の中で話を聞いて上げるなどメンタルケアの方を心がけると、モチベーションがアップする子も多いです。

理由4:顧問の先生が嫌い

竹刀を持ちダッシュさせようとする部活の顧問
熱血指導が行き過ぎている
昭和スタイルの先生も

本当によい指導とは
生徒の自主性や主体性を伸ばす指導だと
思うのです

「顧問の先生が嫌い、合わない」というお話もよくお聞きします。

きっとその先生も、”良かれと思って”生徒を指導されているとは思うのですが、たいていはスパルタで言葉がキツイなど、行き過ぎた指導になっていて、子どもに恐れられていたり。(スポーツの強豪校ほど良くある話)

その証拠に、顧問の先生が代わると、急に頑張り始める子もいたりします。

親の対応

先生の肩を持って「先生には先生のお考えがあるんじゃない?」などと親は言いがちですが、「うんうん。それは嫌だったね」など気持ちを否定せずに共感的に聞いてあげましょう。

人は味方の存在を実感していると、それだけで強くなれる生き物です。

理由5:他にやりたいことができた

ギターを弾く高校生男子
ギターが弾けたら
かっこいいなぁ

ゲームや音楽など、他に楽しいことが出来る子も多いのが中高生の時期。

特に、「音楽」に興味を持ち始めるのが中学生の頃です。(耳にイヤホンしてませんか?)

その頃からギターやベース(男子)、ダンス(女子)などに興味を持つ子も最近は特に多いと感じています。

親の対応

コロコロ気持ちが変わるのが良くないという価値観をお持ちの方も日本には多いですが、決して悪いことではないです。

得意な事や強みを増やすことは人としての幅を広げることになりますし、将来的に「芸は身を助く」的なことも多かったりします。

自由に関心を持ったことをその子のペースで深めていけるように、親はできるだけ口を出さずに見守っていきましょう。

理由6:一時的な気の迷いやストレス

子どもに質問する母親(子育てコーチング)
母:どうしてその部活に入ったんだっけ?

ちょっとした怠けゴコロで、ハードな部活を休みたいとなる子は非常に多いです!!

また仮入部の時には優しかった顧問や先輩の態度が急変したりして、その部活のやり方が合わないと感じている場合もあります。

親の対応

初心を思い出させるコーチング的な質問が効果的です。

例:「どうしてその部活に入ったんだっけ?」
  「入部して本当はどうなりたかったの?」

みたいな質問で、再びモチベーションがアップする場合もあります。

アドバイスの極意とNG言葉

途中で部活への意欲を失ってしまったお子さんに、親としてできるアドバイスとその際のNG言葉を2つずつご紹介します。

  • 誰か気持ちをわかってくれる人に相談してみたら

    その部活の事はその状況にいる人にしかわからないことも多いもの。

    顧問の先生や、副顧問。友だちや先輩など、味方になってくれる人の存在が心を強くしてくれます。

    NG言葉:周りに迷惑かけないようにしなさい!
    (自分よりも周りの人を優先している言葉。親から言われると苦しくなる言葉です)
  • 納得のいく答えが出るまでゆっくり悩んでいいよ

    子どもにとって大切な事だとわかっているからこそ、悩んでいますから、責め立てるのではなくその子のペースで答えを出していいことを伝えてみましょう。

    NG言葉:後悔しないようにしなさいよ!

    (やめさせたくない親が無意識に使う代表的な言葉で、将来的にトラウマにもなりかねない言葉です)

5ステップ!部活をやめたい子どものサポート方法

男の子の話を聞く母親
母「どうしてやめたいと思ったの?」
途中で否定やアドバイスしないこと
相談しやすい母になるコツ

では、子どもが部活をやめたい、と言い出した時、親の対応のテンプレートをご紹介します

子どもが自分で考えて「納得のいく答え」を導き出すための5つのステップですので、この流れを意識して話を聞いてみてくださいね。

子どもの味方になる簡単な子育てコーチングです。

Step1:やめたい理由を聞く

「どうしてやめたいと思ったの?」とシンプルな質問で、子どもの気持ちを聞いてみましょう。

この時、親の「部活はやめるべきではない」という価値観をいったん横に置いて(←超重要)、フラットな立場で話を聞いてあげて下さいね。

(子育てコーチになったつもりで)悩んでいる子どもから、愚痴でも弱音でも何でも、思っていることを全部、吐き出させてあげると、案外「本当はやめたくないんだ」という気持ちを話してくれることもあります。

Step2:子どもの味方になる

子どもが何かで悩んでいる時、私が常に心がけていることが、子どもの味方になること。

というのは、親はなぜか我が子を悪者扱いして、相手の肩(先生や友達)を持ちがちなことに気付いたからです。

例えば
先生だって、あなたの為を思って言って下さっているのだから、少しぐらい我慢したら」

〇〇君も、悪気があってやったわけではないから、気にしないようにしたら」

「もしもあなたがやめたら、チームが困るんじゃない?大会も近いでしょ!みんなに迷惑かけたら駄目よ」
など。

我が子に我慢させようとしちゃうんですよね、、、

つまり、現在、部活をやめたくなるほど辛い我が子の気持ちを理解しようとしないで、余計に追い詰める言葉をかけているのです…

お悩みママ
お悩みママ

あなたがやめたらチームが困るでしょ!
それにせっかく仲良くなれた友達から嫌われるかもよ!
(↑脅してる)

Step3:本人の意思を聞く

「あなたは、本当はどうしたいの?」とシンプルに質問してみましょう。

すると、もうすでに気持ちを固めていて「やめたい」と答える子もいますが、実際はまだ迷っている子もいます。

部活を続けるかどうか、その答えを決めるのは子ども自身ですから、親はなるべく聞き手に回り、自分で決めさせてあげることが重要です。

質問する母親(子育てコーチング)
「あなたは本当はどうしたいの?」
(答えはいつも子ども自身の中にあります)

Step4:親に出来ることがないか?を質問する

例えば、厳しい部活の場合は「本当はやめたいけど、顧問の先生や先輩が怖い」という場合もあり、親のヘルプが欲しい子もいます。

実は私、子どもが何かで悩んでいて相談を受けた時、息子に「お母さんに何かできる事はある?」と聞くようにしています。

どうしてかというと、この声かけで「母はあなたの味方だ」と子どもに伝わる気がするからです。

実際には「特にない」と言われることが多いのですが(笑)、たまに言われる「黙って見てて」に忠実に従うと(笑)、親子関係は劇的に良くなります。

Step5:子どもの選択を見守る

子育てコーチング
中高生ともなれば
自分の問題は自分で解決できます。
親が子どもの問題に
介入するのをやめると
自主性や主体性が育ちます

そして、子どもが出した答え(やめるor続ける)を尊重し、黙って見守ります。

自分の選択を親に尊重してもらえた子どもは、疲れた心をしばらく休めた後、自分のタイミングでまたやりたいことを見つけてチャレンジする事が多いです。

実は、私の息子も、高校時代、部活をやめた経験があります。

楽しいと思って入った部活だったのに、予想以上に過酷な部活で、そばで見ていてもほんとー---に辛そうでしたが、高1の6月頃にはやめる決断をしました。

部活をやめた後はしばらくはゆっくりして、ゲーム三昧となりましたが、今思えばこれも必要な過程だったと感じています。

その後、高1の冬に新しく入った部活で、良い先輩や仲間に恵まれ、とても充実した高校生活をおくれたようです。

以上5ステップをご紹介しましたが、とはいえ、一人ではなかなか難しいと思う方もいらっしゃいますよね。
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部活をやめたい時に使える6つの理由

部活と勉強の両立に悩む男子学生
文武両道は
親のアコガレですが、、、

部活の顧問の先生や先輩が怖くて「部活やめたいです」となかなか言えないお子さんもいますよね。(学校を休んでしまえばいいと不登校になる原因の場合もあり)

日本では特に、根性論が根強く残り「途中でやめることを良しとしない風潮」がまだまだ残っているように感じています。

「きっと怒られる。顧問や監督や先輩に怒鳴られる。やめさせてはもらえない。やめた後が怖い」など

子どもも感じているからこそ「やめたい」と言い出せなくて、メンタルダウンしてしまっている場合も多いように感じています。

表情が暗い、学校に行きたがらない、食欲がない、よく眠れていないようだ、などの症状が見られるときは、「途中でやめるべきではない!」という価値観はいったん横に置いて、子どもの味方になって話を聞いてあげられますように。

そして、そんな時は、「やめたい理由」を一緒に考えてあげるとよいかもしれません。

【やめたいときに使える6つの理由】

  • ケガや体調不良(ドクターストップがかかった)
  • 勉強に集中したい(塾に行く)
  • 人間関係がうまくいかず辛い
  • 家庭の事情で続けられない
  • 最近楽しさを感じなくなり、夜も眠れないくらい悩んでいる
  • モチベーションがなくなったので、とりあえず休部したい
わかばやし
わかばやし

注意すべき点は、嘘を言ってやめたとしてもたいていはバレて、後で辛くなるのは本人なので、「嘘のない言葉」で大人や仲間を納得させる言葉を探せるといいかもしれません。

無理なく部活を続けられる方法の提案

実は、子ども自身も「本当はやめたくない」気持ちがあることも多いので、無理なく続けるための方法を3つご紹介します。

人が悩んでいる時はたいてい視野が狭くなっていますので、他の選択肢もあることを提案してあげましょう。

  • 目標を変える
    例:レギュラーになる→卒業まで仲間と一緒に楽しむ。楽しみながら自己成長するなど。
  • ペース配分を見直す
    いい意味での「手の抜き方」を探すのは悪いことではありません。全力投球型の子に、自分のペースを探すために立ち止まる時間があってもいいと思うのです。
  • 負担の少ない部活に転部する
    平日も土日もと毎日活動があった部活から、週に2回や3回の活動する部活もあります。

まとめ:やめたい気持ちに寄り添った対応が最善です

文武両道を好む日本では、部活をとても大切に考える親御さんが想像以上に多い印象があります。

部活にしても!
勉強にしても!
自分のやりたくないことを、やりたくない時に親に無理強いされるのは、辛いばかりか、その成果も出にくくなります。

わが子が「部活やめたい」と相談してきた時、自分の気持ちよりも、子どもの気持ちを優先してあげられますように。

部活をするのは親ではなく、子ども自身ですから、その子の気持ちに寄り添った温かい対応が最善です!

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この記事を書いた人(監修者)

わかばやしゆかこ

長野県松本市在住 
中高生ママ専門の子育てコーチとして、悩める母専門のコーチングセッションを行う。
【経歴】
・コーチングオフィス ままはぐ代表
・ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
・セッショントータル4,500時間以上を実施
・24歳(社会人)と21歳(大4)2人の息子を持つ母親
・京都大学にて教授秘書歴7年

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