中学生の不登校|原因と親ができる対応策を解説します!


・不登校の親はどんな対応を心がけるといい?

・不登校になってしまい高校進学が心配

な方に。

コロナ禍では不登校が増え、中高生ママ専門の子育てコーチである私へのご相談も急増しています。

今日は中学生の不登校の原因とその対応方法を詳しく解説します。

また親ができる具体的な対策も紹介します。

特に、再登校を目標にしないことが重要です。今リアルに不登校が苦しいお母さん達の「希望の道しるべ」になりますように。

不登校の定義と現状

国(文部科学省)による「不登校」の定義をご紹介します。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者

参考:文部科学省※PDF「不登校の現状に関する認識」)


つまり
・年間で欠席が29日以下
・病気などが原因で学校に行けない人
は厳密には不登校ではないというわけです。

最新の不登校データ

全国の国公私立小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は、なんと!24万4940人となったそうです。(令和3年度文部科学省の問題行動・不登校調査より)

小中の不登校が急増、24万人 コロナ禍、いじめも最多61万件

全国の国公私立小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は24万4940人となり、20年度より24.9%(4万8813人)増えて過去最多だったことが27日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。小中高校などが認知したいじめは19.0%増の61万5351件で最多。小中高生の自殺は47人減って368人となった。  文科省は、不登校急増の背景に新型コロナの影響がうかがえると分析。「運動会や遠足といった学校活動が制限され登校意欲が下がったとの見方や、休校による生活リズムの乱れが戻らない事例の報告もあった」と説明した。

引用元:小中の不登校が急増、24万人 コロナ禍、いじめも最多61万件(2022.10/27(木)ヤフーニュース)

ですが、前述のように、ここには「年間欠席が29日以下の方」などは含まれていませんので、行き渋りなど不登校の傾向のある中学生は、実際にはもっといると考えられます。

中学生が不登校になる原因

不登校になる中学生の原因ですが、学校生活、家庭、本人の体調などに原因がある場合の3つに分けて解説します。

(早期解決を望む方ほど)原因探しに躍起になられますが、理由(原因)がわからない場合も実際多いですので、親が無理に探し出そうとしないことも大事です。

1)学校に関わる原因

中学からは、教科ごとの担任制に変わり、勉強が難しくなるのはモチロン!各教科担任との相性の良し悪しも見られるように。

中間や期末テストなどで順位が付けられ、この結果によって周りと比較され評価されるために、自分に自信を無くしてしまう子どもが多いようです。

また、中学からの楽しみの一つに「部活動」を挙げる子も多いですが、先輩や後輩との付き合いが始まり、先輩には敬語を使うなど、気を使うべき存在が増えます。

また、先輩からの過度のいじりも(本人にとってはいじめ)、部活を辞めたい⇒学校に行きたくないに直結する場合もあります。

さらには、容姿や学力や人気などでクラス内の格付け(スクールカースト)が始まるのも中学生のあたりで、陽キャ>陰キャみたいな構図が自然と生まれます。

他には、部活の顧問の先生や担任の先生が厳しすぎることもよくあります。

そして、先生からの「心無い一言(叱責)」がきっかけとなって、不登校になる子も増えています。(←悲しいかな。よくあるご相談事例です涙)

学校での出来事にきっかけがある場合は、友達と話し合って和解したり、先生(学校)と話し合ったりして、本人が納得する状態になることで登校に向かうこともあります。

2)家庭に関わる原因

厳しすぎるしつけや、親の過干渉が子どもの自尊心を傷つけていることもあります。

勉強のことやゲームのこと、塾のこと、生活態度など、子どもの問題に過剰に管理(干渉)している親御さんは今の日本には多いですから。

本来なら、一番くつろげる場所である家庭なのに居心地が悪すぎて、心のエネルギーを充電できないために、心と体に不調が出ているようです。

また、威圧的な父親(祖父母の場合も有)による支配構造や両親の不仲、父性の欠如(例:単身赴任)などが不登校の原因となっていることもあります。(機能性不全家族)

他には、親からの愛情が不足しているサインとして、不登校になる子もいます。

詳しくはコチラの記事を→【小・中・高校生別】愛情不足の子どもの特徴とサイン

3)本人に関わる原因

本人のタイプや体調などが原因で不登校になることもあります。

特に不登校は「朝、起きられない」というお子さんが多いために、病院を受診すると、起立性調節障害(OD)と診断される場合もあります。

これは思春期の子どもの1割くらいがかかる、低血圧を伴う自律神経の病気で「身体がだるい」、「頭が重い」などの症状があり、対応としては血圧をあげるためのお薬(朝飲ませる)が出たり、水分と塩分をしっかりとることを指導されることが多いようです。

不登校の中学生への対応策

不登校の中学生に対して、親はどんな対応をするとよいのでしょうか?

一言でまとめると、無理に学校に行かせようとせずに、本人の気持ちを尊重すること(特に、生活面でゲームや昼夜逆転のことをうるさく言わないこと)です。

ここでは、不登校になった中学生への対応を5つご紹介します。

1)休んでも大丈夫と伝える

学校を休みがちになると、ついつい遅れてしまう勉強の事や、日中家にいることが不安になってしまって、少しでも早く行かせようという声掛けになる方が、特に不登校初期は9割以上だと感じています。

ですが、親のその対応が、不登校の状態を長引かせてしまう場合も多いのです。

「休んでも大丈夫、何とかなるよ」という言葉で安心させてあげると早い回復が見込めます!

2)子どもの頑張りを認める

今、学校に行けない現状だけを見ると、「この子は弱い子でみんなと同じ事ができないダメな子」という捉え方をしてしまうかもしれません。

ですが、学校に行きたくない気持ちがあった期間も無理して頑張って行っていたために、限界が来たのかもしれません。

「ずっと頑張ってきたんだね」とその子なりの頑張りを認めてあげると、親は敵ではなく、自分の味方だと感じることでしょう。

すると、ずっと誰にも話せなかった心の内を話してくれるかもしれません。

3)第三者のサポートを受ける

不登校が増えたとはいえ、まだまだ少数派なので親は孤独です。

何とかして学校に行かせたい気持ちと、将来への不安などで、夜眠れなくなったり、食欲がわかなくなったりするお母さんもいます。(過去のワタシです)

そんな時は、無理はせずに第三者のサポートを受けることを考えてみましょう。

身近なところでは、中学校のスクールカウンセラーは無料で利用できます。

私の知る限り、不登校になった中学生よりも、保護者の方が継続して利用している印象があります。

4)子どもの気持ちに寄り添う

実は、自分が学校に行けなくなってしまったことを、子ども自身も不安に思っています。

不登校の子どもが昼夜逆転してしまいやすいのも、学校に行けない罪悪感から、友達が学校に行っている日中は寝ていることで、自分の心を守っているように私は感じています。

親が自分の不安や悲しみに囚われてしまうと、子どもの気持ちに寄り添うことが難しくなります。

家ではゲームや動画で楽そうにしている姿の奥底にある自己否定する気持ちを、くみ取ってあげませんか?

すると、本当の意味で味方になってくれた親を受け入れ、改善に向かう場合も多いです。

5)学校関係者や医療機関と連携する

中学生の不登校の場合、腹痛や頭痛、夜眠れない、朝起きにくい、などの症状を訴える子どもが多いです。

こういった場合は医療機関の受診をおすすめします。

また、学校へも通学が難しいことを理解してもらい、その子にとって最善の対応ができるように話し合っておきましょう。

不登校の中学生の進路

家の中に引きこもりがちなお子さんを心配する方に、不登校の子どもの学卒業後の進路ついてご紹介します。

高校進学の現状

  • 全日制・定時制高校(公立と私立)
    地域によって違いますが、不登校経験がある生徒を受け入れている高校が最近増えています。

    「見守る子育て」では、中学時代不登校で高校進学される方は、不登校経験者に優しい高校(私立が多い)に進学される場合が多いです。
  • 通信制高校とサポート校

    友人関係に苦手意識のある子どもは、通学を伴わずに自宅で学習を進めることができる通信制高校も選択することもあります。

    (授業料の目安:公立だと年間で4~6万円程度、私立だと年間で25~70万円位から)

    自分のペースで学習を進められるため、自由時間が多く、その分趣味や仕事などと両立することができます。

    通信制高校の多くは単位制なので、出席日数ではなく、取得単位数や高校在籍日数などの卒業要件を満たせば卒業することができますが、卒業するには自己管理能力が必要であることや、登校が少ないので友達を作る機会が少ないことが懸念点となります。

    そこで通信制高校に通う生徒をサポートするためにあるのがサポート校。

    (サポート校の授業料の目安:登校日数やコース、設備などによって大きく異なり、初年度の納入金は50万円〜100万円程度)

    サポート校は、通信制高校に在籍する生徒の学習を支援するための教育施設のことで、勉強でわからないところがあった時などに学習の支援を受けられます。

    余談ですが、私がご相談を受ける多くのお宅が、通信制高校とサポート高、同時在籍を選ばれている方が多いですが、そうなると学費が高くなってしまうことが、また一つの問題となっている印象があります。
  • 通信制特例校
    近年少しずつ増え始めているのが、不登校特例校といわれる学校です。

    不登校特例校とは、学校教育法施行規則に基づき、不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校のことで、少人数指導や特色ある教育、個に応じた学習・体験が可能となり、令和2年9月1日現在、全国で16校(内、公立学校7校、私立学校9校)が指定を受けています。

    2021年4月に自治体主導としては初となる、公立不登校特例校となる不登校児専門の草潤中学校が岐阜市に開校されることになり、全国的なニュースになりました。
  • 高卒認定から大学へ

    高校で不登校となってしまった方に多いのが、高卒認定をとることです。

    通信制高校やサポート校などの学費がかからないので経済的な面や、試験も比較的簡単なことも、その理由の一つです。

    高卒認定とは、文部科学省が主催するれっきとした国家試験で、年に2回(8月と11月)に行われます。

    受験資格は、高卒認定を受験する年度の3月31日までに満16歳になる人で、つまり高校1年生と同じ年齢以上の人で、中学を卒業して高校に進学しなかった方はもちろん、高校を中退した方も受験できます。

不登校から高校進学への具体的な対策

不登校になった中学生が通う場所としてフリースクールがあります。

フリースクールとは、何らかの理由で学校に行けなくなってしまった子供たちが通う民間の教育施設です。

(フリースクールの月額の会費(授業料):月に約3万3千円というのが文部科学省のデータあり)

主にNPO法人や個人が運営しており、子供たちにとって学校以外の居場所かつ学び場を提供しています。

また、(人が怖かったり、人間不信のために)学校には行けないけれど、「高校には行きたい!」という場合、個別塾や家庭教師を活用しているご家庭も多いです。

他には、不登校の中学生向けのオンライン学習もあり、その中でも出席扱いになるサービスを2つご紹介します。

  • 認定NPO法人カタリバ「room-K」(無料)
    カタリバは2001年から活動する歴史と実績のある認定特定非営利活動法人。現役小学校教員などの専門家と開発したオンラインの不登校支援プログラム「room-K」を無料で提供しています。
  • 無学年式オンライン教材すらら(有料)
    不登校児童生徒を対象にしたオンライン塾を提供するすららのプログラムは、小学生から高校生まで学年を超えて生徒個別のニーズに合わせて学習できるのが特長です。
    入会金7,700~11,000円、中高コース:3教科8,228~8,800円、5教科10,428~10,978円(すべて税込)



勉強の遅れが気になる保護者の方も多いですが、本人の内的動機付けが出来ないと学習習慣は身につきにくく、せっかく契約しても無駄になってしまうことも良くありますのでご注意くださいね。

内発的動機付けが出来ないと
親がいくら焦って
お金を払って環境を整えても
高校受験への勉強は
習慣化しにくいのでご注意ください

事例: 不登校からの高校進学

息子さんが中2の夏頃から不登校となった息子さんのことで悩んでおられたお母さん(A子さん)をご紹介します。

ゲーム好きな男の子でゲーム依存への不安もお持ちだったのですが、「ゲームは息子さんの居場所だから、ご飯を食べていれば大丈夫!母性で包み込んだ方がいい」というSNSで繋がった方からのお話が腑に落ちて、昼夜逆転も気にし過ぎない対応をされていました。

そして、先回りをしないように息子さんの味方になって、見守る子育てを実践されました。

すると、だんだん息子さんは自分の本音をお母さんにはなすようになられ、受験時には自分が行きたい高校を受験して合格!

今、目をキラキラさせて高校生活をエンジョイされているとの事です。

・・・・・・

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親御さん自身のリフレッシュも大切

実は、不登校が長引かせる家庭の特徴の一つに「親がずっと嘆いていること」があります。

心配のあまりずっと塞ぎ込んでしまっていると、子どもの罪悪感を刺激することになりますので、自己肯定感はなかなか育たず、本当の意味での回復が難しくなります。

「見守る子育て」でお伝えしているのは、学校に行く・行かない(勉強する・しないなど)は子どもの問題であって親の問題ではない、と課題の分離を完了させることです。

すると、自律性(子どもが自分で選択すること)が育まれ、内発的動機付けがされやすくなります。

親御さんが子どもの問題に囚われすぎずに、自分の人生を楽しむことにフォーカスしてみませんか?

一人旅をしたり、趣味を極めたり、リフレッシュして、自分のご機嫌は自分でとれるようにしていきましょう。

まとめ

わが子が不登校になってしまったと悩んでいる時に、「不登校の子を見守るのは危険だ!登校刺激はするべきだ!」という考え方の人もいるのも事実です。

(例:学校から別室・放課後登校を薦められる、など)

不登校の対応については、その時代時代の考え方もあり、またおかれている家庭環境や状況によって違うとは思いますが、先日の朝イチの不登校特集を見て、不登校は見守る方がいいという考えが主流になってきたように感じています。

実は、小中学生の不登校時代に、スマホやゲームを取り上げて家の居心地を悪くすることで登校を促した結果、一時的に登校するようになったお子さんが(その時はハッピーですが)、高校になってから再び不登校になってしまったというご相談が相次いでおります、、、

また、自殺した不登校児の「75%は再登校」していたという結果もあるようです。

これはおそらく、親側の「1日でも早く登校してほしい」という願望を達成するために、子どもの気持ちに寄り添わずに理不尽な対応をした弊害だと感じています。

本当の意味での問題解決ができていないうえに、自分の大切なものを取り上げられた”恨み”も相まって、問題が深刻化してしまっているんですよね、、、(涙)

再登校だけを目標にしない方がいい理由がここにあります。

中学生の不登校の対応は慎重に。

子どもの心に寄り添った対応ができますように。

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この記事を書いた人(監修者)

わかばやしゆかこ

長野県松本市在住 
中高生ママ専門の子育てコーチとして、悩める母専門のコーチングセッションを行う。
【経歴】
・コーチングオフィス ままはぐ代表
・ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
・セッショントータル4,500時間以上を実施
・24歳(社会人)と21歳(大4)2人の息子を持つ母親
・京都大学にて教授秘書歴7年

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中学生の不登校|原因と親ができる対応策を解説します!” に対して2件のコメントがあります。

  1. りさ より:

    10月に入ってから7日休んでいます。
    私の起こし方が悪いとイチャモンを付け行かない日があります。
    行くときは行きます。
    学校に行って欲しいから起こしにいくのですが、
    しつこく起こすのが嫌みたいです。
    朝、声はかけて、起きてこない時は
    ほっといても良いのでしょうか? 
    自分から起きてくるまで待った方が良いでしょうか?
    出席日数の事が気になり、起こしに行っています。朝起こしに行くべきか、2回くらい声をかけて 
    起きてきたら良し、起きてこなかったらそっとしておいた方が良いでしょうか?

  2. yukako より:

    毎日の子育ておつかれさまです。

    >10月に入ってから7日休んでいます。

    →ご心配ですよね。。。

    >しつこく起こすのが嫌みたいです。朝、声はかけて、起きてこない時はほっといても良いのでしょうか?

    →悩むところですよね、、、

    もしも私なら。と言う立場でお答えさせていただきますね。

    もしも私なら。

    1)本人にどうして欲しいかを聞く。
      例「朝は起こして欲しい?それとも自分で起きる?」

    2)もしも母に起こして欲しいなら、どんな起こし方がよいかを聞く。

    3)そして、声かけ(起こす)する回数はなるべく1回だけ(本人が望むギリギリのタイミング)にする(ムツカシイならだんだん減らす)

    みたいなことを心がけるかなと思いました。

    参考になれば幸いです。

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