学校に行きたくない高校生の対応全ガイド~不登校にならなかった高1息子の話~
高校生活は楽しいことばかりではありません。
友達関係や勉強、部活動などで悩んでいる高校生も少なくありません。
特に「学校行きたくない」状態になってしまうのは、ストレスや不安の表れかもしれません。
実は、コロナ以降、不登校関連で悩む中高生ママからのご相談が、随分増えました。
これは分散登校や、休校による過密スケジュールなどの教育状況が、子どもたちの心に少なからず影響を与えているものと感じます。
そもそも不登校者数は近年増加傾向にあって(7年連続)、令和元年度の文部科学省の調査では、小中学生の不登校者数は18万人を超え、過去最高者数だったそうです。
このうち不登校の高校生は、5万人で若干減少したようですが、自殺者は増えており(令和元年222人)、これには中高生ママ専門コーチとして大きな危機感を持っています。
実は、我が家でも高1の時に息子が学校に行きたくないと言い出した時期がありました。
高校入学後から1~2か月行き渋る期間があり、結果として不登校にはならなかったものの、母として苦しい苦しい時を過ごした経験があります。
当時は眠れなくなるくらい本当に苦しかったですが、子どもの心に寄り添う対応を心がけることで「学校に行きたくない」という時期を乗り越えることが出来ました。
今、お子さんが、同様の状態で悩んでいるお母さんの心の羅針盤として、参考になれば幸いです。
もくじ
学校に行きたくない高校生の理由
高校生が学校に行きたくないと感じる理由はさまざまです。
一つは学業や試験のプレッシャーに対する不安やストレスです。
入学した高校の勉強量や難易度についていけないと感じることが、学校に行きたくない気持ちにつながることは特に進学校の場合よくあります。
深刻な場合は、夜眠れなくなったり、食欲が落ちたりうつ病や不安障害っぽくなっていることが原因で、行き渋っている場合もあります。
また、学校での人間関係のトラブルやいじめによって、学校に行くのが怖くなっている子もいます。
例えば、部活の威圧的な上級生に恐怖を感じていたり、友人トラブルで孤立していたり、親が想像する以上に悩んでいる場合も多いです。
さらには、家庭内の問題や心の不安定さからくる不登校もあります。
よくあるのが両親の仲が悪く居心地の悪い家庭環境になっていたり、口を開けば勉強や大学受験のことばっかり言う親に辟易としている子も少なくありません。
この対策としては、周囲からの理解とサポートが欠かせません。
悩みごとを否定しないで聞いてくれる人(特に親)がいれば、心の負担をかなり軽減することができるでしょう。
不眠や腹痛などを訴えている場合は、専門の医療機関を受診すると起立性調節障害や過敏性大腸炎と診断される子どもが多いと感じています。
また学業面での不安については、自分の気持ちを正直に話せる人がいるだけで、ずいぶん救われるはずです。
実際うちの息子もこの不安が強かったようですが、信頼できる先生や同級生に、勉強の仕方や時間管理の方法などを相談して親身なアドバイスを貰っていたようです。
また、いじめなど子どもが一人で解決することが難しい場合は、学校や関係者に相談することでうまくいく場合もあります。
▼勉強面の参考記事▼
⇒勉強しない高校生のトリセツ~やる気を出すために必要な3つのこと~
起立性調節障害の場合の対応
起立性調節障害とは、成長期に発症しやすい身体疾患で若者の10人に1人がかかると言われており、朝起きたくても起き上がれなかったり、頭痛や不眠などのさまざまな不調が生じます。
症状は午前中に強く、午後からは体調が回復することが多いようで、夜には元気になり、逆に目がさえて眠れないこともあるようです。
この症状が和らぐ時期の目安は、体の成長が落ち着く20歳ごろと言われていますが、生活リズムの改善が基本となり適度な運動や水分・塩分の摂取、血圧を上げる薬などの治療や指導が行われています。
私へのこれまでのご相談の中で、不登校で起立性調整津障害と診断されている子の割合は全体の2割くらいですが、いずれの場合も、生活リズムの改善がカギとなる場合が多いです。
でも、だからといって親が躍起になって改善させようとするとうまくいきません。(←ここ超重要)
子どもが自ら、早寝・早起き・朝ご飯など生活を整えることの重要性を理解して、自分なりのやり方で実践するようになると、再登校をはじめとして何かしら動き始める子どもが多いです。
▼参考記事
⇒学校へ行きたくない朝を乗り越える方法~子どもの不登校に悩む親御さんへ~
学校に行きたくない高校生へ親の3つの対応
息子が高1の時に「学校に行きたくない」状態になったと申しましたが、その時に、私が心がけた対応を3つご紹介します。
ポイントは、「見守る子育て」を実践しながら「立ち止まっても大丈夫だよ」という安心感と愛情(信頼)を子どもに伝え続けること。
そして、再登校への執着を手放そうと頑張ったことが(←ここ重要)早い解決へ導いてくれた要因だと考えています。
1)無理に行かせようとしない
一つ目の対応は無理に行かせようとしない、です。
ですが、「不登校は甘えだ!」と捉えているご家庭も多く、できるだけ休ませない姿勢を貫こうとされている方も多いと感じています。
特に、高校の場合は中学校とは違って義務教育ではないので、出席日数や単位の関係で留年の危機が高まるために、その心配から「無理にでも学校に行きなさい!」となりがちなのです。
私も、この留年が一番恐怖に感じた部分でした。
ですが、そもそも「勉強」も「学校に行くこと」も、子どもの問題であって、親の問題ではありません。
ですので、当時の私は「学校には行っても行かなくてもどっちでもいい」と登校への執着心を手放すことを、毎日必死に実践していました。
▼中学生の行き渋りにお悩みの方に▼
⇒「学校行きたくない」と言われたら…中学生親の対応
2)親はショックから立ち直り「大丈夫だよ」と伝える側になる
小学生でも中学生でも高校生でも大学生でも、わが子が学校に行きたくないと言い出した時、親は少なからずショックを受けます。
これは、それくらい「学校に行くこと」が、今の日本では当たり前のことになっているからです。
ですので、「このままだと不登校になってしまうかもしれない…」、「将来は…」という不安が次々に襲ってきて、朝起きない子どもを怒鳴ったり、夜不安で眠れなくなったりなど、心が不安定になるお母さんもいらっしゃいます。
「まさかわが子が学校に行けなくなるなんて…」というショックは、お母さんなら誰しも受けるものですが、実はこのショック状態を引きずってしまうと、状況は良い方へは向かいません。
どうしてかというと、自分のショックを和らげるために、子どもをどうにかして再登校させようと躍起となってしまい(無意識)、「今のあなたのままではダメだ」という否定のメッセージを飛ばし続けてしまうからです。
親御さんがこの状態では、子どもは「自分の学校に行きたくない」という気持ちをちっとも理解してもらえないと感じるために、心の元気が取り戻せなくなってしまうんですよね…
ですので、親御さんはこのショック状態から1日も早く立ち直り、「立ち止まっても(みんなと同じでなくても)大丈夫だよ」と、子どもに安心感を伝える側に回ることが大事なのです。
3)夫婦が同じ方向性で子どもを見守る
「家庭が安心で安全な場所であること」は、子どもの健全な成長にとても重要です。
ですが、夫婦が不仲だったり、威圧的な誰かがいる支配構造になっていたりすると、家庭が安心で安全な場所ではなくなってしまいます。
家で安心してくつろげないと、しんどいですもんね。
私はこれまで、沢山の不登校ママのサポートをさせていただきましたが、不登校の原因がわからない場合、こういった機能性不全家族のケースが多いと感じています。
不登校になったことで、夫婦で揉め険悪になってしまうご夫婦も多いですが、この場合は、子どもの不登校を機に、今まで目をそらせていた夫婦の問題があぶり出されたという印象が否めません。
実は、子どもが不登校になったことで、夫婦で話し合う機会が増え、結果として夫婦が仲良くなった!子どもが元気になった!という方も沢山いらっしゃいます。
お子さんの為にも夫婦仲を整え、家庭を安心で安全な居場所にすることを心がけていただきたいです。
というのは、自分は両親から大切にされていると、子どもが心で感じることが、自分を肯定する力の源となり(自己肯定感アップ)さらには自分の人生を自分で切り拓く原動力となるからです。
学校を変える選択肢(通信制高校やサポート校の利用)
近年、中高生ママ専門コーチの私の元には、高校への行き渋りに悩むお母さんからのご相談が増えていますが、通信制高校やサポート校に転校するお子さんが増えています。
全日制の学校に通うのが難しかったお子さんが、自分に合った学び方や環境を選び直してリスタートされています。
通信制高校は、授業を自宅で受けることもできますし、殆どの場合、自分のペースで進めることができるため、学校に行くことが難しい生徒にとっては精神的な負担がかなり軽減されるメリットがあると感じています。
空いた時間でアルバイト(社会勉強)を始める子どもも多いですね。
また、サポート校は、カリキュラムや教育方針を工夫しており、生徒の個性に合わせた教育を提供しているように感じています。
自分のペースで学ぶことができるため、新たな可能性を見つけるきっかけになるかもしれません。
ですが、注意点が1つあります。
親主導で学校選びをするのではなく、お子さんと沢山相談することが重要です。
どうしてかというと、本人が選んだ学校に本人が行きたいというタイミングで動き出すことが、リスタートがうまくいく要因だと感じていますからです。
高卒認定を取得する
文科省が年2回実施している「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)」があり、これに合格すると、高校卒業と同程度の学力があると認められます。
つまり、高校に通わずとも「高卒資格」と同等の資格を得ることが出来、進学や就職時に「高卒」と同等の扱いを受けられます。
最近では、現在通っている高校がその子に合わなくて辞めた後、この高卒認定に合格し、大学に進学した話もよくお聞きます。
登校拒否・不登校のサインと早期対応
登校拒否や不登校のサインをご紹介します。
・学校や先生へのネガティブ発言
・生活リズムが崩れる(寝る時間が遅くなり、朝起こしても起きなくなる)
・遅刻や無断欠席が増える
・部活や学業への意欲低下(留年の危機)
・無気力、口数減少、常にイライラしていて反抗的
このような変化が急に見られた時は、頭ごなしに否定するのはやめて、子どもの心の声に耳を傾けてみませんか?
中高生ママ専門コーチとして、彼らの話を聞くことなしに改善することは非常に難しいと感じています。
高校生の場合は、無理矢理学校に行かせようとする態度は(父親が厳しすぎる)など、家出してしまったり、リストカットを繰り返すなど状況が悪化する印象があります(涙)
❶話を否定しない。❷気持ちを理解しようとする。この2つを是非ともお試しください。
「学校に行きたくない」高校生の見守り方
高校が楽しい場所であればそれに越したことはないのですが、せっかく受験に合格して入った高校が「行きたくない場所」になってしまったわが子を見るのは、本当に辛いことですよね。
不登校の問題は、そうなった人(子どもと親)にしかわからない苦しさがあります。
ですが、「お子さんの道は塞がれたわけではないこと」「幸せに生きるための道は何本でもあること」をイメージして、お母さんが悲観し過ぎないようにしていただきたいです。
コロナでさらに多様性の時代になったと感じていますので、その子のやりたいことを否定することなく、好きなことを伸ばしてあげるように心がけると、道は拓けます。
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詳しくはコチラから。
この記事を書いた人(監修者)
わかばやしゆかこ(中高生ママ専門コーチ)
コーチングオフィス ままはぐ代表
長野県松本市在住
ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
中高生ママ専門の子育てコーチとして、悩める母専門のコーチングセッションを行う。
「親子仲が良くなりました!」
「急にやる気を出しました!」
「不登校が改善しました!」
「第1志望大学に合格しました!」など
多くのお母さんから嬉しいご報告をいただいています。
【経歴】
・セッショントータル4,500時間以上を実施
・24歳(社会人)と21歳(大4)2人の息子を持つ母親
・京都大学にて教授秘書歴7年
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