進学校で落ちこぼれる原因と末路、親がしてはイケナイこと、できること

・せっかく進学校に入ったのに落ちこぼれた(落ちこぼれそう)

・このまま落ちこぼれたままだと、大学受験やその先の将来(就職先)が心配…

など、進学校に入ったから安心できる!と思っていたのに、逆に、苦しくなってしまっているってことありませんか?

今日は進学校で落ちこぼれてしまう原因や子どもの将来について考え、低迷中の子どもに親がしてはイケナイことやできることについて解説します。

実は、私自身が進学校で落ちこぼれたクチでして(30年以上前の話です汗)、そして、息子のうち一人もそうなんです(泣)

また現在、中高生ママ専門の子育てコーチをしておりますが、進学校ママからのご相談は非常に多く、この現状を良く知る者として親は何をどうすると良いかについてお伝えします。

進学校の落ちこぼれの基準

ふつうの進学高校における「落ちこぼれ」の基準は、だいたいどこも下位20%の成績不振者を指すことが多いです。

定期テストの際、「平均点の半分以下が赤点」となる場合が多く、その場合は追試や補講などの救済措置があります。(公立や私立、その学校によって違いますが)

また留年の場合は、テストの点数+提出物+出席なども加味され、たいていは成績表に1が付いてしまうと進級が難しくなります(一つでも「1」があると留年する場合が多い)

お悩みママ
お悩みママ

赤点ばかりで、留年が本当に心配。
高校受験が終わったら安心できると思ったのに、、、

進学校あるある←落ちこぼれの原因にも

実は、年々「子どもを進学校に通わせているお母さん」からのお問い合わせが急増していまして、そのお悩みは「進学校ならではの風潮(進学校あるある)」に起因する場合が多いなぁと。

『進学校は状況によっては案外辛い場所でもある』と言うことを知っていただき、お母さん達が「なるほど、そんなもんなのね」と受け入れて心穏やかに見守れるようになるためにも、ここでは「進学校あるある」をご紹介します。

進学校あるある

  • 自由な校風

    昔からの伝統校が多いので、自由な校風の高校(含:中高一貫校)が多く、生徒の自主性を大事にしていることが多い。

    なので、先生の面倒見という点においてはあまり期待できず、落ちこぼれそうになった場合、必然的に外部の塾や家庭教師に頼らざるを得ない。
  • 上位と下位の成績の差が激しい

    自由な校風ゆえに、成績上位者はほっておいても自主的にどんどん勉強するが、成績下位者は全く勉強しなくなる。

    赤点、追試、留年など、常連の子どもも多い。

    故に、落ちこぼれ組が奮起すると、学年順位が30番くらいは一気に上がるが、そこから上位組に食い込むのは難しい。
  • 4年制と言われるくらい浪人も多い

    高校時代、部活や学祭で青春を謳歌しすべてやり切った後に受験勉強へとスイッチする学生も多く、当然のように有名大学を目指すために、浪人率も高くなる。

    ちなみに、息子の通っていた公立高校では毎年100人くらいが浪人。
  • うちの高校からだと〇〇大学合格は当たり前

    高校のレベルにもよるが、進学先として国公立が当たり前、有名大学に入れないのは負け組認定になっている進学校も多い。

進学校で落ちこぼれる5つの原因

赤点(28点)のテスト

見たこともない点にショックを受ける母多し



他にも進学校で落ちこぼれてしまう原因を5つご紹介します。

1)勉強しない(自主性や主体性が育っていない)

そもそも、名門校と言われる進学校は自由な校風で、生徒の自主性を重んじる学校が殆どです。

入学後は、自主的に予習復習をすることが前提で授業が進められます。

しかも、周りは全員、その地域の秀才たち。

ですので、自主的に勉強する習慣のない子は最初で(高1)つまづくことが多いです。

2)燃え尽きた

高校に入学後、燃え尽き症候群のようになってしまうお子さんもいらっしゃいます。

私の印象ですが、ずっと親に決められたレールの上を進み、合格がゴールになってしまっていた子がバーンアウトする感じです。

親や塾でお尻を叩かれ過ぎて、自分なりの『勉強する目的(理由)』を見いだせないまま、勉強をやらされているとなりやすい現象です。

3)レベルについていけなくなった

偏差値の高い進学校には、そもそも学力の高い学生が多く、授業のレベルが高く進度も速いため、ついていけなくなることも多いです。

中には、もう高1の時点で目標(志望大学)を決めてコツコツ努力している子もいますから。

ですので、そんなに努力しなくても中学まではそこそこ勉強ができたタイプの子は、ついていけなくなります。(実はこのタイプの男の子ママからのご相談が多い)

また、真面目で時間数的には勉強しているのに、結果が伴わないタイプの子もいて、こちらも辛そうです(←時々あるご相談事例。真面目で繊細なタイプの子が多く、受験ノイローゼになる子も)

4)劣等感か・ら・のあきらめ

テストの点数が下降する男子高校生

周りの同級生の「優秀な雰囲気」に圧倒され、劣等感で「やる気」が出ない場合も多いです。

周りがすごすぎて自信を失うことって、社会に出てからも結構ありますもんね。

そもそも大学受験で問われる知識量は半端なく、コツコツ勉強を積み上げることが必要なのが高校時代。

そのためには「自分でもやればできる」という「自信」が必要です。

ですが、親から責められ否定されてばかりだったり、「こうしなさいあーしなさい」と正しいやり方ばかりを押し付けられると、「自分ならできるかも」とは思えなくて諦めてしまうんですよね、、、

また、こういったあきらめの境地から、同じような仲間とつるみ、遊んでばかりになることもあります。

不良ぽくふるまう二人の男の子
親や先生に認めてもらえないと
自分のことを認めてくれる仲間の元へ

5)1点集中、部活打ち込みタイプ

進学校は文武両道を目指していることも多いですが、部活も、勉強も、両方同時にこなせない子は、勉強の方に余力を回せず苦労している場合もあります。

ですが、このタイプの子は、部活を終えてからやる気を出す場合もあります。

進学校で落ちこぼれた子はどうなる?5つのパターン

進学高校で落ちこぼれてしまった場合、どうなることが多いでしょう?

ここでは5つご紹介します。

  • ずっと低空飛行のまま

    大部分の子は、たとえ落ちこぼれ組に入ったと言っても、都度、追試や補講などですり抜けて、ずっと低空飛行のまま卒業に向かいます。

    一つ二つ赤点をとっても追試で何とかなることも多いですから。
  • V字回復する

    高校在学中にこれではダメだと気づいて、自分の夢を目指して自主的に勉強を始める子もいます。(うちの息子はこのパターン)

    この場合は、親が子どもの問題に介入せずに、信じて見守った方が多いです。

    (「見守る子育て」では、高2からやる気を出したとのご報告が多いです)
  • 留年する

    学年でビリの科目が何科目もあるなど、勉強の意欲がとことん下がってしまうと留年に向かいます。

    例えば、次男が通っていた高専では、留年はそんなに珍しいことではなく、学年が上がるほど年上の先輩と同級生になると聞きました。
  • 不登校になる

    授業に出ていても勉強がわからない、ついていけないとなると、だんだん学校に行きたくなくなり、不登校になる場合も。

    出席日数の基準は学校ごとに異なりますが、多くの高校では年間の全授業日の3分の1以上(あるいは3分の1を超える日数)欠席すると、留年になります。
  • 留年からの退学

    留年してしまうとモチベーションが下がり、そのまま退学してしまうことも多いようです。

    その後は、通信制高校に転校したり、バイトに生を出したり、高卒認定を取得して大学受験する子もいて色々です。

進学校で落ちこぼれた子の末路~2つの未来~

高校卒業後の未来がご心配な方も多いですよね。

ここでは、大きく2つに分けられる未来についてご紹介します

  • 悔やみながら生きてく

    世間体を気にしながら生きている人が多い日本では、学歴コンプレックスを抱えて生きていく人が大多数だと感じています。

    どうしてかというと、元いた場所が進学校という誇り高い場所にいたために、理想と現実のギャップにショックを受け、ずっと自己卑下や自己否定する気持ちに囚われてしまっているからです。

    そして、結果として、自信の本来の能力を活かすことが出来ず、良い仕事(=人に喜ばれるために収入も高くなる)に繋がりにくくなっています。

    【子どもがこうなる親の特徴】
    ずっと親が子どもを責め続けていることが多いです。(恥ずかしい思いをさせられた、ガッカリさせられた等の気持ちを持ち続けている)
  • 自分らしく生きる

    進学校から落ちこぼれた~、という経歴があったとしても、幸せに成功している人もいます。

    こういった人は、まだまだ今の日本では少数ですが、理想の状態になれなかった一時的なショック(❶の状態)から立ち直って、自分らしく成功する生き方にスイッチしていった人とも言えるでしょう。

    【子どもがこうなる親の特徴】
    親が子どもを責めず、落ちこぼれたことを気にしていない場合が殆ど。

人は夢破れた時、誰でも最初はショックを受けますが、そんな時、親御さんの温かいサポート(見守る子育て)があれば、早く抜け出せると考えています。

「あの時もっと勉強しておけば、よかったのに…」と、今もわが子を責め続ける親御さんや、コースアウトしたわが子を恥ずかしく思う親御さんは多いですが、これを辞めましょう。(キッパリ!)

人は誰でも失敗し、人生は輝かしいことばかりではないですから、わが子が❷の生き方(世間体を気にせず自分らしく生きる)ができる人になることが最善だと思いませんか?

進学校で落ちこぼれた時、親がしてはいけない2つのこと

テスト結果に悩む男子学生
「ヤバいー-どうしよう」
と子ども自身が感じています

では、進学校で落ちこぼれそうになった時(または落ちこぼれてしまった時)に、親がやってはいけないことを2つご紹介します。

やってしまうとかえって逆効果になる場合が殆どですので、ご注意下さいね。

1)親がなんとかしようとする(先回り&お膳立て)

勿論、保護者面談などで学校側(先生)から指摘される場合も有りますが、将来(末路)を心配するあまり、塾や家庭教師を探すなど、親が何とかしようとする方が多いです。

ですが、ほとんどの場合、あまりいい結果には結びついてはいません。

基本、本人が「どうにかしなきゃ」と焦って動き出すまでは、(たいていは塾に行かせて欲しいとお願いする場合が多い)親は手を出さずに見守りたいものです。

2)子どもを責める(泣く)

「どうしてこんなになるまでほっておいたの!」「このままだとどうなっちゃうと思うの!」など、子どもを責めている方も多いですが、これは百害あっても一利なし。

やる気を引き出すどころか、プライドをくじき、親子関係を悪くするだけです。

自分のご機嫌は自分でとるようにして、不安を子どもにぶつけないようにしましょう。

高校生男子
高校生男子

心配されると余計に苦しい。
自分のことは自分で考えるから、余計なことは言わずに、ほっといてほしい。
親は自分の人生を生きてくれ!

進学校で落ちこぼれた子に親ができること(実際に私がした5つのこと)

ステップアップするメガネの男の子(挽回のイメージ)
落ちこぼれから挽回するには「気力」が必要!
子どもの心に信頼(愛情)という名の
エネルギーを注ごう!

進学校で落ちこぼれた子に親ができること。

それは「子どもが自分で何とかする力」を信じて見守り、肯定的な関わりを心がけることです。

というのは、落ちこぼれるかどうかは、「子ども自身の問題」で「親の問題」ではありません。

子ども自身がやる気にならなければどうしようもないからです。

そのためには、親が悩み過ぎないことが、すごーーーーーく大事です。

実は、私自身も進学校に通う息子が学年ビリになり落ちこぼれたことがあるのですが、とにかく「子どもの問題」に介入せず「見守る」に徹したところ、高2の秋からやる気が爆発!

テストの度に、成績をどんどん回復させていく息子の姿を見ることが出来ました。

その際心がけていたことを5つご紹介します。

  • (普段)話を否定せずに最後まで聞く
  • 子どもの味方になる(不安をあおる言葉や嫌味を言わない)
  • 先回りしてお膳立てはしないで、頼まれごとをされた時に初めて動く
  • 「大丈夫 なんとかなる」と思っとく
    「思っとく」と「声をかける」「黙ってる」の違いわかりますか?
    思春期はこの「思っとく(=信じて見守る)」行為を増やしていくといいですね
  • 子どもの「自分で何とかする力」を信じる

落ちこぼれが辛い進学校のお母さんへ

不機嫌な顔の母親
毎日不機嫌な顔を
していませんか?

進学校で落ちこぼれた場合、本来なら一番辛いのは本人です。

ですが、子どもが落ちこぼれることを恐れるあまり、当の本人よりもお母さんの方が苦しくなってしまうと、家庭が本当におかしくなってしまいます。(←この状態が非常に多い)

実は、私自身も進学校で落ちこぼれていましたが、当時親から責められたことが全くないことを今回思い出しました。(母は自分の仕事に集中し、いい感じでほっておいてくれた)

このブログを書きながらも今の私があるのは、今は亡き両親のおかげなのだと、改めて親に感謝する機会となりました。

「進学校に子どもを通わせるお母さん」は、優秀な子を育てるが故のプレッシャーがあります。

ですが、プレッシャーをはねのけ!大切なお子さんの「自分でなんとかする力」を信じて見守ることができますように。

「やればできる子」の可能性を引き出せるお母さんになれますように☆

▼進学校で高1でビリ、高2から挽回した息子の話▼
勉強しない高校生のトリセツ

自分から勉強する子の育て方

進学校ママの苦しさの理由について解説しています

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この記事を書いた人(監修者)

わかばやしゆかこ

長野県松本市在住 
中高生ママ専門の子育てコーチとして、悩める母専門のコーチングセッションを行う。
【経歴】
・コーチングオフィス ままはぐ代表
・ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
・セッショントータル4,500時間以上を実施
・24歳(社会人)と21歳(大4)2人の息子を持つ母親
・京都大学にて教授秘書歴7年

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進学校で落ちこぼれる原因と末路、親がしてはイケナイこと、できること” に対して3件のコメントがあります。

  1. ゆみん より:

    いつも動画やブログを読み励まされています。なんとかギリギリ進級できた息子も高二になりました。二年生になったら頑張ると言ってましたが、中間考査前でも以前と変わらずゲームや友達と遊びノー勉強でテストを受けたようです。一応進学校なので周りの友達はとても勉強に励んでたりしてますが、ウチは学年ビリのまま。最初は悲しくてショックでしたが私が勉強どうこうできるわけでもないし、勉強の事は一切言わず様子をみてます。私の出来ることは美味しいご飯や話しかけてきたらどんな話でも(ぬいぐるみ男子らしくちょっと甘えん坊?)聞いたり笑ったりして。ゆかこ先生の話しで、勉強や生活の小言を言わない事で、下心が1パーセントくらいはありますがもうほとんど諦めてお任せしてました。
    毎日楽しくしてるようです。しかしお任せしてたんですが、、赤点ほとんどぽくまた学年ビリは流石に心配になってきました。
    特に息子には何も言わず普段通りに過ごしてます。
    やらなくちゃと言いながら、朝になると「携帯でゲームしてたから勉強出来んかったぁ。やばいしもうダメや」ってグズってます。特にしかる事もないし好きなフルーツを朝に準備してる毎日です。
    仕方ないですよね。息子自身の問題ですね。グチみたいになりました。すみません。私に出来る事はあるのでしようか?

  2. yukako より:

    ゆみんさん 

    ありがとうございます。
    下心が1パーセントくらいってすごいです!

    息子さん毎日楽しく普段通り(←有難いですね)
    今「ヤバい」という言葉で出ているので、試行錯誤されている時期なのでしょうかね。

    「できること」と言うご質問ですが、もしも私なら。。。

    あと1パーセント頑張って、下心をゼロにする(=子どもを期待通りに動かすのは無理だと観念する)だろうなぁと。

    そして、子どものことを考える時間を極力減らして、仕事や趣味など自分自身の人生を充実させる方に舵取りするだろうなぁと思いました。

    参考になれば幸いです。

  3. ゆみん より:

    お忙しいなかお返事ありがとうございました。私はあまりにもガッカリすぎて諦めて暗い気持ちで私に出来る事はないんだなぁ息子に任せるしかない、私が何とかしなくちゃって思わなくなってきた状況です。でもこんな気持ちになった事がなくもしかしてと言う下心1%なんじゃないかと思って反省したりします。中学1年から今も行き渋りがあってもっと息子をよく見ないとと仕事もセーブしてましたが最近仕事でもリーダー的な仕事が増えてきて、もう自分の事をする時期がきたんだろうなと引き受けてます。「子どもを期待通りに動かすのは無理だと観念する」次男のそんなとこも受け止める感じの明るい母にいつかなれるようにゆかこ先生のブログを読んだり仕事をして元気にしていこうと思ってます。いつもありがとうございます。

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