愛情不足の子どもの特徴と原因と対処法|今日から親ができること


・(家ではいい子なのに)学校や塾など、外で問題を起こしがち

・持論で家族・友達・先生・有名人を攻撃する(SNSで誹謗中傷)

などでお悩みの親御さんも最近多いなぁと感じています。

こういった場合、一度、親からの愛情不足を疑ってみるとよいかもしれません。

というのは、しつけや学歴を重視した子育てをしていると、親の愛情がちゃんと伝わっていないことが原因で問題行動が起きている場合も多いからです。

今日は、親からの愛情不足が子どもの心にどんな影響があるのか、また、不足状態に陥っていた場合の具体的な改善方法についてご紹介します。

わかばやし
わかばやし

愛情不足の特徴が見られたとしても、安心して下さいね。

今お持ちの愛情を、言葉や態度で伝わるように伝えていくだけでよいのですから。

愛情不足の子どもの特徴

子どもは「自分が親から愛されているか」に敏感です。

なぜなら、子どもは全員!親からそのままの自分を愛されたいからです(←大前提)

ですが、「愛情が足りないよ!お母さんお父さん」と言葉で教えてくれる事はまずありません。

いい子になったり、悪い子になったりして、いろんな態度で親の愛情が不足していることを伝えています。

愛情は人の心と身体を健全に保つためのガソリンのようなものですから、これが不足した時には「問題と感じる行動」や特徴が見られるようになり、病院を受診すると愛着障害と診断されることもあります。

注意)愛着障害とは、乳幼児期に特定の養育者(母親・父親など)との愛着形成がうまくいかず問題を抱えている状態のこと

無気力でスマホを見ている男の子
スマホばかり見ているのは
無気力になっているからかも

特徴1)無気力

中高生ママ専門コーチの私の元には「覇気がない」「無気力」「死んだ目をしている」などのご相談はかなり多いです。

人は「自分は誰からも愛されていない」と感じると、自分の未来に希望を持てなくなり無気力になってしまうことがあります。

実際に、不登校の原因を調べた調査書では小・中・高校生ともに、すべて無気力・不安がトップだったりします。

他にも「留年の危機なのにやる気を出さない」「塾や部活もサボりがち」「食欲の低下」など、自分の人生に投げやりになっていたら注意が必要です。

特徴2)感情のコントロールが難しい

ご機嫌だったかと思えば急に理不尽なことでキレたり、情緒が不安定になっているお子さんのご相談も多いです。

もちろん反抗期が原因の1つだとは思いますが、愛情不足が原因で自分で自分の感情のコントロールができなくなっている場合もあります。

この状態の人が家族の中にいると周りも大変ですよね。

特徴3)自己表現が上手にできない

「自己肯定感が低い人」ほど自己表現が苦手になると言われていますが、これは自分に対する劣等感や相手から傷つけられるかもしれないという恐怖心があるために、自分の伝えたいことを上手に伝えることができないためです。

特に、親から愛された経験が乏しいと、愛情表現も難しくなります。

偉そうな振る舞いで周りから距離を置かれるようになったり、逆に、相手の顔色をうかがいすぎてイエスマンのようになってしまったりと、コミュニケーションに問題を生じることが増えます。

特徴4)社会的スキルの欠如

社会的スキル(ソーシャルスキル)とは、相手の気持ちをくみ取る、共感する、相手の都合を考える、困った時に声をかけるなど、対人関係を円滑にするための必要な知識やスキルのことを言います。

親からこういった愛情行動をそもそも貰っていないために、このスキルが育っていないこともあります。

特徴5)必要以上に甘える・ワガママ

愛着障害の特徴ですが、親に必要上に甘えてくることがあります。

例えば「お茶入れて」「リモコンとって」など、自分で出来る事を親にしてもらいたがり、親を試すような行動をとる場合もあります。

また「座る時の距離が近い」「夜中、布団に潜り込んでくる」「母へのボディータッチが多い(幼児退行的な赤ちゃん返り)」などもあります。

「自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなる」「癇癪や暴力」「ちょっとしたことでもガマンができない」「すぐに人のせいにする」「間違っている人を徹底的に論破する」など自己中心的でワガママな行動が見られることもあります。

特徴6)親以外の人への執着

「特定の友達に執着する」「彼氏や彼女の家に入り浸る(恋愛依存」「祖父母の家から帰ってこない」など、特定の人へ依存傾向が見られる場合もあります。

もしかすると「見捨てられ不安」が根底にあるのかもしれません。

恋愛の場合は、束縛が強くなり、頻繁な連絡を求めたり、GPSなどで相手の行動を見張ってしまうこともあります。

特徴7)低い自己価値

愛情不足で育った大人は、自分には価値がないと思ってしまいます。

いわば自己肯定感が低い状態。

自分に自信がなく、他者と比較してばかりでチャレンジを恐れ、ネガティブな発言が多くなります。

また承認欲求が強いわりに、自分は人を信じることができないので、生きづらさを抱えることになります。

子どもの愛情不足が及ぼす影響

では親からの愛情が不足している時、子ども達の生活や人生にどんな影響があるのでしょうか?

ここでは大きく2つご紹介します。

学業成績への影響

学業への意欲低下や、成績不振などでお悩みの親御さんが、日本には非常に多くいらっしゃいますが、実はこの基本的な原因が、親の愛情不足にあることを子育てコーチとして実感しています。

厳密には、子どもへの愛情は持っているけれども、周りとの比較や焦りが原因で、愛情がちゃんと伝わっていないという状態です。

親からの愛情は、ガソリンのようなものですから、特に、苦手意識のある学業に取り組む時のエネルギー源となります。

学年で○位以上なら、など条件をつけずに、そのままのお子さんに花丸をつけて、自己肯定感を育ててまいりましょう。

将来的な人間関係への影響

基本的に自分に自信がなく、社会的スキルが身についていないので、将来的な人間関係に困る場合が多いでしょう。

ベストセラーにもなった「子どもが育つ魔法の言葉」をご紹介します。

【子どもが育つ魔法の言葉】

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる

とげとげした家庭で育つと、子どもは乱暴になる

不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる

「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持になる

子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる

親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる

叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる

広い心で接すれば、キレる子にはならない。

褒めてあげれば、子どもは明るい子に育つ

愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ

認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる

分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ

親が正直であれば、子どもは、正義感のある子に育つ

やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ

守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ

和気あいあいとした家庭に育てば、

子どもは、この世はいいところだと思えるようになる

引用元:子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫) 

優しい子に、強い子に、思いやりのある子に、育てたい親御さんが殆どだと思いますが、実はその源泉は私たち親にあると、この「魔法の言葉」が教えてくれています。

愛情不足の主な原因

では、子どもが愛情不足に陥ってしまう原因には何があるのでしょうか?

1)家庭環境の問題

子どもが愛情不足になる原因は、共働き、核家族化、ワンオペ育児、単身赴任などの家庭環境が考えられます。

もちろん親も子どもを養うために一生懸命なのですが、子どもの立場に立ってみると、幼少期に愛着が十分に形成されないままである場合も多く、そのまま成長していることが原因で思春期に問題が起きているご家庭は少なくありません。

2)親のストレスやトラウマ

日々仕事や家事で忙しいお母さんは、ストレスをわが子にぶつけやすくなります。

「どうして私ばっかり毎日こんなに頑張っているのに」と被害者意識がわいてしまい、自分と同じようにイヤな事でも我慢してやろうとしないわが子に、小言や嫌みを抑えることができなくなるからです。

また、自分自身も親から(虐待ほどではないものの)冷たい言葉を言われた、認めてもらえなかったという気持ちを抱えて大人になった親世代も多いため、そのトラウマが自身の子育てに影響を与えている場合もあります。

愛され方を知らないと、愛し方がわからないですもんね。

わかばやし
わかばやし

世代間連鎖している事に気づいて、子どもやその先の孫世代のためにも、今断ち切ろうとする方がふえますように。

今日からできる!愛情不足の改善方法

私自身にも!そして「見守る子育て」を実践して下さった中高生ママたちにも!実際に効果があった!

今すでにお持ちの愛情がお子さんにジャブジャブ伝わる対応をご紹介します。

最初は難しく感じるかもしれませんが、子育てを通じて成熟した親(大人)になってまいりましょう!!

1)価値観の押し付けをやめる(良かれと思って子どもが嫌がることはしない)

「見守る子育て」では親の価値観を押し付けないことを大切にしています。

今、親子関係がうまくいかない人は、たいてい「勉強すべき、いい学校に入るべき、毎日頑張るべき」など親の価値観を押し付けていることが多いですから。

つまり、(躾と称して)子どもにとって「されたら嫌なこと」をやり続けている状態です。

なので、愛情不足の子どもに対しては、嫌なことをやめる!のが最も効果的な対応です。(めっちゃシンプル!)

私たち大人も、人からずーーーーっと嫌なことをされ続けている場合、それをやめて貰えることが一番嬉しいことですもんね。

具体的には
・勉強のこと、学校のことを口出しするのをやめる

・将来の心配や不安を口にしない

・指示命令やアドバイスをやめる

・生活習慣(躾)も厳しすぎる場合は話し合ってみる(年齢と共に本人の意思に任せていく)

など。

家では、学校や勉強の話題を減らして(できるだけゼロに)、しょうもない楽しい話が出来るといいですね。

嫌なことを言い続けていませんか?

2)子どもの話を聞く

子どもの話をちゃんと聞く、という簡単なことができていない親御さんは非常に多いです。

話の途中で間違いを正したい気持ちを抑えられずアドバイスしたり、話をとって自分の話をしてしまったりはよくある話です(←コーチングを学ぶ前の私!)

「うんうん。あなたはそう思うんだね」とその子の「今の気持ち」を否定しないように受け取るようにすると、子どもは「親から愛されている。自分は大切にされている」という実感がわくことでしょう。

子どもの話を聞くことは、一番簡単にできる愛情表現の方法です。

3)条件付きの子育てはやめ、存在承認する

・テストで平均点以上だったら。
・ルールを守れたら
・頑張ったら
「〇〇してあげる」という子育ては、全て条件付きの愛情になり、子どもに愛情が伝わりにくいです(涙)

条件をクリアしないと愛してあげないよ(認めてあげない)と言っているようなものですから。

「そのままのあなたに価値がある」「生まれてくれてありがとう」など、条件を一切付けずに、その子の存在そのものに感謝するのが存在承認です。

ありのままの自分を親から認めてもらえると、愛されている実感はわくでしょうし、自己肯定感もグングン育ちます。

▼存在承認について詳しく知りたい方はコチラ▼
存在承認とは?子どもを承認する言葉を増やして、やる気を育てよう

4)一人の大人として尊重する

子どもの管理者(指導者)は親だからと「正しい方へ導こう」としつけ重視の子育てをしていると苦しくなります。

特に、思春期は自立心が芽生え、自分の自由な選択(失敗経験も含む)を親に温かく見守って欲しい時期ですから、境界線を意識してアドバイスや指示命令は減らしましょう。

子どもの良き理解者・味方となり、子どもの意見や気持ちを大切に扱うことは、自立前の子育てにおいて非常に大切なことです。

自分とは違う個性を持った一人の大人として尊重すると、愛情不足は解消されていきます。

子どもの安全基地になることを意識しましょう。

お互いを尊重する虎と豚
子ども(年下)を見下さずに
お互いをリスペクトする関係って
いいと思いませんか?

5)(子どもが望む場合のみ)スキンシップを増やす

産後すぐ仕事に復帰したお母さんの場合や、不安定な愛着スタイル(特に、人と距離をとりたくて子どもと心を通わせるのが苦手な遠い親)の場合は、スキンシップが足りていなかったことも考えられます。

実際に、中高生になってもハグを求めてきたり、夜中になると布団に入ってきたりする子のお悩み相談もありますから。

こんな風に子どもが望んでいる場合(サインが見られる場合)は、可能な限り、可能な形で応えてあげるといいですね。

実は、自分のタイミングで(←ここ重要)親に十分甘えることが出来た子が自立すると言われています(参考記事:「甘やかす」と「甘えさせる」の違いを徹底解説!子どもの自立心を育てたい親御さんに

膝枕で母親に甘える中学生男子
小さな頃から
一緒に過ごす時間が少なくて
自分が甘えたい時に
甘えられなかった子も多いです

6)難しい方は専門家に相談

一人では難しいと感じる方は、心の仕組みを学んでみたり、専門家(親子関係を専門にしているコーチやカウンセラーに相談するのもおすすめです。

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まとめ: 愛情を育む家庭環境の重要性

愛情不足のまま大人になると、どうなってしまうのでしょうか?

【愛情不足のまま大人になった人の特徴】

・自己肯定感や自尊心が低い
・依存体質
・自分のことも、人のことも信じることが苦手
・被害妄想が強い
・自慢話が多い
・独占欲が強い
・平気でうそをつく
・愛情表現が苦手
・キレやすい
・人の顔色ばかり気にして、自分らしく生きられない
・視野が狭く自己中

こんな大人になってほしくない!わが子には幸せな人生を生きてほしいですよね。

せっかくお持ちの愛情が伝わらないのはマジで切なすぎます!

「自分は確かに親から愛されている」とじわじわ感じる温かい家庭環境をつくることを心がけませんか?

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この記事を書いた人(監修者)

わかばやしゆかこ

長野県松本市在住 
中高生ママ専門の子育てコーチとして、悩める母専門のコーチングセッションを行う。
【経歴】
・コーチングオフィス ままはぐ代表
・ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
・セッショントータル4,500時間以上を実施
・24歳(社会人)と21歳(大4)2人の息子を持つ母親
・京都大学にて教授秘書歴7年

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