ピグマリオン効果とは?子育てに役立つほめ方の技術と落とし穴
・ピグマリオン効果って何?
・子どもが伸びる褒め方を知りたい!
という方に。
「ピグマリオン効果」とは教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待(思い込み)が生徒の成績アップにつながるというものです。
最後まで読んでいただけると、ほめる技術や期待をかける際のポイントがわかります!
ですが、「なるほど!子どもに期待するといいのね!」と早合点して、例えば「あなたはやればできる子だから」と期待し過ぎると、逆効果になることもありますので(落とし穴あり)ご注意下さいね。
もくじ
ピグマリオン効果とは
ピグマリオン効果とは、他者からの期待を受けることでその期待に沿った成果を出すことができるという心理効果のことをいいます。
アメリカの教育心理学者ローゼンタール氏が発表した心理学用語で、「教師期待効果」や「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。
ピグマリオンという名前はギリシャの神話が元になっているようです。
▼ピグマリオンの神話
昔ピグマリオンという王様いました。 彫刻家でもあったピグマリオンは、自分が彫り上げた女性像のあまりの美しさに、心を奪われ、恋をしました。そして、本物の女性に変わってくれないかと切実に願いました。 すると、その姿を哀れに思った神様が、彫刻に生命を吹き込んでくれました。 そしてピグマリオンはめでたくその女性と結婚し、幸せに暮らしました。
この神話の、「心から相手に期待すれば、相手がその期待に応えてくれる」という部分や、「期待が相手に対して良い影響を与える」という部分になぞらえて、「ピグマリオン効果」と命名されました。
ローゼンタール博士の実験
では、ローゼンタール博士はどんな実験をして、この効果を見い出したのでしょうか?
1964年、博士はサンフランシスコの小学校で、「ハーバード式突発性学習能力予測テスト」と名付けた知能テストを行いました。
この知能テストは一般的な知能テストでしたが、「将来、児童の成績が伸びるかどうかがわかるテスト」と教師に伝え、その後、テスト結果と関係なくランダムに選定した「成長が期待できる児童」と「期待できない児童」に分けたテスト結果を教師に提示しました。
テスト結果を提示した8か月後に、再度知能テストを実施したところ、ランダムに抽出したはずの「成長が期待できる児童」の成績が向上したという結果がでました。
また、こちらの実験の結果から、ピグマリオン効果は数字に表れる部分だけでなく、勉強に対する自主性などの内面に関わる部分についても、成長を促すことができる可能性があるとわかっています。
これらの結果を踏まえ、ローゼンタール博士の報告では、教師が特定の児童に成長を期待して接したことと、児童も自分が期待されていることを意識したことによりこのような結果になったとしています。

成績が伸びた!
自分が期待されていると
意識すると
子どもは伸びる!
ゴーレム効果とは?
ピグマリオン効果に対して、ゴーレム効果というものがあります。
ゴーレム効果とは、周囲からの期待や関心を持たれないことでパフォーマンスが低下するという心理効果で、1969年にアメリカの教育心理学者であるロバート・ローゼンタールにより提唱されました。
この2つの効果から考えられることは、「周りからどう見なされているか」は、良くも悪くも人(生徒)への影響が大きいということです。
ゴーレム効果のことを
140文字でまとめました(笑)
子育てにピグマリオン効果を活用する3つの方法
というわけで、このピグマリオン効果!
家庭でできる方法を3つご紹介しますね。
家庭でピグマリオン効果1:「ダメな子認定」を外す

いいとこばっかり探すぞ~
最初の方法は「ダメな子認定を外す」です。
というのは、きっとこれまでの子育て時間から
・「この子は勉強ができない」
・「この子はダメだ」
みたいな感じで、心の中でわが子を「ダメな子認定」しちゃってる方が多いと思うのです。
それは、ある意味当然といえば当然で、過去のテスト結果や、テスト前でもちっとも勉強しない態度などから、そう思わざるを得なかったはず。
ですが、この「ピグマリオン効果」を発揮させるために!今心の中にある「ダメな子認定」をサクッと外して下さいね。(見守る子育てです)
具体的には「この子は今まではそうだっだけど、これからはきっと大丈夫。何とかなる!」みたいな感じです。
ローゼンタール博士の実験では、「伸びる生徒たちだ」と教師が 心から思って(騙されて) 接していたから、成績が上がったという結果が出ています。
子どもにとって、影響力の大きい「親」や「先生」など大人から
・できる子と見られるか?
・ダメな子と見られるか?
は、めちゃめちゃ重要なことだったりします。
ですので、まるで別の子を見るように「肯定的な目」で見てみることをオススメします。
きっと、その肯定的な目線(エンジェルアイ)は子どもの自己肯定感を高めることにも良い影響を与えるはずですよ~

注意)「やればできるのに、どうしてやらないの?」という目で見てしてしまうと、否定のメッセージとなり、逆効果になります。どうぞご注意下さいね。
家庭でピグマリオン効果2:能力を心から信じる

もう一つは、子どもの能力や可能性を心の底から信じるです。(これもやっぱり「見守る」姿勢♪)
この「信じて見守る姿勢」に親が変更すると
↓
お子さんはめっちゃ嬉しいから「やる気」を出すための信頼貯金が心にどんどん貯まっていきます。
心にエネルギーが貯まるという訳。
そして、この信頼貯金(=エネルギー)が満タンになった!と本人が感じた時に、やる気が出始めます。

▼あわせて読みたい▼
⇒自分から勉強する子の育て方|自発的に学習する子に対する親の関わりと家庭環境
家庭でピグマリオン効果3:加点主義
加点主義とは、物事の評価や判定において、良い点や優れた点を積み上げていく方法です。
この逆は、減点主義でミスがあれば満点から減点するやり方ですが、あなたは今、どちらの主義で子育てをしていますか?
例えば、テストで子どもが95点だった場合。
「あと5点、どうしてミスしたの!」と足りない部分に注目して叱るのは減点主義となり、言い方によっては、子どものやる気や自己肯定感を下げてしまうでしょう。
ですが、95点だったことを「すごいね。嬉しいね」と認めて褒めてあげるだけで、次への意欲を高める事ができたりします。

人のメンタルに注目して、ほめ方の技術を習得すれば、子どもの意欲を引き出すことができますよ~
教育現場での応用例
学校教師、塾講師の先生をされている方に向けても同様の事が言えます。
教師という職業の方にとって教え子の成績が伸びることは、この上ない喜びと同時に、現場での評価も上がると思います。
そのために、勉強を教えることにプラスして1)ダメな子認定を外し、2)その子の能力を心から信じ、3)加点主義で接することを心がけてみてください。
きっと生徒からの信頼を得る人気教師への仲間入りができることでしょう。
ピグマリオン効果を子育てに使う場合の落とし穴
わが子が勉強のやる気を出してくれたら嬉しいですよね!
ですが、ただむやみにほめても、ピグマリオン効果を台無しにするばかりか、むしろ逆効果になりかねません
具体的には、やる気を引き出そうとか、成績をアップさせよう!という下心があるとうまくいきません。
・この子はやればできるはず!(←「やれば」という条件が付いてます)
・期待したらやる気が出るかも
・見守ったら勉強し始めるかも
こういった気持ちは、全て「下心」となりますのでご注意下さいね。
わが子とは言え、人を自分の期待通りにコントロールすることはできません(「過去と他人は変えられない」のがコーチングの原則)

子どもを親の期待通りに動かすことは無理だと観念することが問われます。
親の過度な期待の危険性
親が「この子はやればできるはずだ!」という過度な期待を持って子育てしている状態は教育虐待にも繋がります。
期待も度を過ぎれば、子どもの意欲を奪ってしまい、潰してしまう危険性がありますのでご注意ください。
ピグマリオン効果を最大限に活かすポイント
では、わが子への期待のかけ方はどんな状態でいることがいいのでしょうか?
親として、この子は伸びる子だと思っとくだけ、本人から何か要望がない限りは、あえて何もしないこと(=優しい眼差しで見守ること)を全力でオススメします。
それに加えて、前述の加点主義を心がけてみませんか?
中高生ママ専門の子育てコーチとして、親が子どもの自尊心を育てることを見据えて子どもを信頼し、尊重する温かな態度で接していると、子どものやる気や成績はだんだん伸びていくことを実感しています。
ピグマリオン効果の成功事例
実は、実際のクライアントさんで、お母さんがダメな子認定を外して、わが子を心から信頼し、加点主義で見守る子育てを実践した結果、ビリギャル級の成績アップで見事!大学に合格された事例があります(祝!第一希望大学合格!中学時代は3年間勉強せず…)
実は、当時の先生(学校)から心ない目で見られた時期もあったお子さんですが、お母さんの下心のない温かな眼差しが、高校入学からの爆発的な勉強の意欲に影響を与えました。
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ピグマリオン効果を活用して「見守る子育て」を実践したい方に
お母さんの潜在意識の中にある「うちの子はダメだ」という想いをとっぱらって、能天気に(例 わかばやし)「うちの子ならきっと大丈夫。なんとかなるわ~」って心から信じてみませんか?
この「ピグマリオン効果」を意識して、親からのいい影響(信頼貯金)を与え続けると、きっとお子さんは嬉しいはず。
心に愛情エネルギーがだんだん貯まっていき、爆発的なやる気を出す日はもうすぐかもしれません。
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この記事を書いた人(監修者)

長野県松本市在住
中高生ママ専門の子育てコーチとして、悩める母専門のコーチングセッションを行う。
【経歴】
・コーチングオフィス ままはぐ代表
・ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
・セッショントータル5,000時間以上を実施
・26歳(社会人)と23歳(大学院1)2人の息子を持つ母親
・京都大学にて教授秘書歴7年
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初めまして。ランキングサイトからお邪魔しました。
子どもの気持ちは、、大人の気持ちに影響されるのだなぁと
改めて思いました。
「よかったこと」「よいところ」を見つけて
語りかけていこうと思います。(^^
ランキングの応援をさせていただきました。
勉強になるお話をありがとうございました。
mioruさま
コメントありがとうございます(*^^*)
「子どもの気持ちは大人の気持ちに影響される」
とってもシンプルにわかりやすくまとめていただいて
「そう。そう。そういういうことなの!」と
記事に追加したくなっちゃいました~(*^^*)
ランキングの応援もありがとうございます!
mioruさんの子育てのお役に立てたら幸いです(^^)